第38回 眼科写真研究会  質問と回答

2026年8月31日 更新

■ 総合討論未収録の質疑応答

・ Lesson1.眼底写真(従来型眼底カメラ)

■ 昭和医科大学医学部眼科学講座
 オフサルミックフォトグラファー 内田 強 先生への質問と回答

■ Q1.
従来型の眼底カメラの有用な点として、「ナチュラルな色調再現性」を述べられておりました。
広角眼底カメラと大きな相違点の1つと認識しています。
外来診療において初診患者の眼底写真を撮る際に、疾患に応じて従来型の眼底カメラを第1に選択されるのか、広角眼底カメラを選択 されるのか、先生の見解がありましたら教えて下さい。
(天野先生)
 
■ A1.
初診患者さんに限らず、従来型眼底カメラと広角眼底カメラのどちらが第一選択となるかを判断するポイントは、撮影する疾患症例の「色調と範囲」。
発表スライドにも示しましたが、ナチュラルな色再現が求められる動脈閉塞初期の淡い乳白色変化などは従来型が優位となります。
また、視神経乳頭や黄斑円孔など局所を拡大して詳細に撮影するにも従来型が優位と考えられます。
周辺部裂孔や網膜剥離、糖尿病網膜症や静脈閉塞症などの広範囲な出血なら広角撮影を優先。
初診患者さんの場合、疾患はひとつとは限りませんのでスクリーニング的観察にも広角撮影は有意義となります。

■ Q2.
周辺を撮影する際は、内部固視灯より外部固視灯を使用したほうが撮影しやすいでしょうか。
使い分けなどあれば教えてください。(杉岡先生)
 
■ A2.
カメラの内部固視灯を動かすことのできる機種も有りますが、殆どは赤道部を超えない範囲迄が限界となります。
それ以上周辺部の撮影は外部固視灯での誘導が必要となります。

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・ Lesson2.眼底写真(広角眼底撮影装置)Optos

■ 関西電力病院 天野大輔先生への質問と回答

■ Q1.
眼底写真は全例Optosで撮影されますか。
症例によって従来型眼底カメラを使われる場合、どのような症例で使用していますか。(杉岡先生・内田先生)
 
■ A1.
基本的には全例オプトスを使用しております。
以前は従来型眼底カメラを使用していたのですが、故障で修理が出来なくなり現在はオプトスのみとなっております。
黄斑部疾患(AMDやERM、MHなど)は従来型眼底カメラの方が色調変化を捉えやすいため、黄斑部位の詳細な画像を得るために撮影しておりましたが、黄斑部疾患全例ではなく、医師からの指示があった症例のみ撮影しておりました。

■ Q2.
Optosの自発蛍光は、どういった疾患で撮影を行っていますか。(杉岡先生)
 
■ A2.
網膜色素上皮に障害が起きる疾患(AMD、CSC、RP)などは自発蛍光写真を撮っております。

■ Q3.
Optosを用いた糖尿病内科との連携について、無散瞳で撮影されているかと思いますが、撮影率はどの程度可能でしょうか。小瞳孔で読影が困難な割合と、その場合は後日眼科受診となるのか、運用の部分をもう少し詳しく教えてください。(清水先生)
 
■ A3.
2026年1月から5月まで調べたところ約400例中小瞳孔による読影困難な症例は0件でした。
また、白内障による中間透体混濁で透見困難な症例は3例いました。
読影困難な症例の方は後日、眼科受診して頂き精査を行っております。

■ Q4.
Optosにおける撮影後の画質調整(明暗、コントラスト、拡大等)の頻度を教えて下さい。(内田先生)
 
■ A4.
基本的には画像調整を行ってはいません。疑似カラーですので症例によっては緑色が強調されている画像に関してはグリーンバランスの設定で調整します。
また、周辺部の裂孔などの輪郭がはっきりしない症例などはコントラストで明るさを変えています。

■ Q5.
無散瞳での撮影がメリットとの事ですが、散瞳後の撮影においてのメリット、デメリットが有りましたら教えて下さい。(内田先生)
 
■ A5.
無散瞳下でしか撮影出来ないシチュエーションの場合にOptosは有効と思います。
散瞳状態ではOptosを撮るのはメリットしかないと考えておりまして、特に周辺部の撮影時はより広角に撮影することが出来ます。
また、無散瞳では複数枚撮影すると瞳孔がより小さくなる患者もいるので、散瞳状態での撮影が良いと考えています。
あえてデメリットを上げるとすると、患者に薬剤を点眼することでしょうか。

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・ Lesson3.造影検査

■ JCHO中京病院 杉岡勇希先生への質問と回答

■ Q1.
再発性AMDの症例について、FA・IAでは新生血管が確認出来ず、OCTから丈の低いPEDを発見し、追加でOCTAを撮影、病変部位を発見されたとありました。
周辺網膜を撮影する際にOCTAの画角は、どの範囲で撮影されたのか教えて下さい。(天野先生)
 
■ A1.
基本的には3×3㎜で撮影しています。
6×6㎜で撮影すると情報量が増えますが、新生血管が鮮明に映らないこともあるため、BスキャンでPEDなどの所見を探して3×3㎜で撮影するようにしています。

■ Q2.
HRA2とOptos両方撮影の際はどのようなタイムスケジュールで撮影されていますか?
5分までHRA2、5分からOptosなど。(清水先生)
 
■ A2.
造影検査の指示を出した医師や疾患にもよりますが、HRA2で撮影して15分Optosで撮影する場合やHRA2で初期を動画で撮影し、その後Optosで15分まで撮影をする場合もあります。

■ Q3.
OCTAとIA・FAとの棲み分けについて伺いたいです
先生のお病院では,特に「この疾患はOCTAで撮影し,造影は行わない」とする疾患はありますか?
また,同一疾患でOCTAのみで済ませる場合と造影を行う場合とで,明確な基準を設けていますか?
ご教示いただけると幸いです
よろしくお願いします(視聴参加者アンケートから)
 
■ A3.
ご質問ありがとうございます。
疾患によってOCTAで撮影し、造影は行わないということはないですが、初診のAMDでOCTAで新生血管が確認されたら造影検査まで行わないことが増えてきました。
またAMDのフォロー中もOCTやOCTAで評価するため、造影検査まで行うことはあまりないです。
同一疾患でOCTAのみで済ませる場合と造影検査を行う場合の明確な基準は設けていません。
疾患の診断を行う上で判断に迷うような症例の場合は、OCTAと造影検査まで行うことがあります。

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・ Lesson4.前眼部写真

■ 大阪けいさつ病院 清水優太郎先生への質問と回答

■ Q1.
フォトスリットランプの撮影は診察の前に全例視能訓練士が撮影を行っているのでしょうか。(杉岡先生)
 
■ A1.
基本的には診察後に撮影指示がある場合に撮影していますが、再診や紹介状を持参される患者さんなどは、診察の前に視能訓練士が前眼部写真撮影をおこなう場合があります。
診察で医師が何を見たいのか考え、撮影するように心がけています。

■ Q2.
ぶどう膜炎の症例は様々な撮影方法を駆使して、病態の変化を捉えると説明がありました。
例えばスライドで説明されていた、KP、Koeppe結節、Busacca結節、前房蓄膿が認められた場合、どの部位から撮影を始めるか順番などありますか。
また、理由などあれば教えて下さい。(天野先生)
 
■ A2.
私は角膜→前房→虹彩→水晶体など眼表面から順に撮影しています。
その為、KP(角膜後面)、前房蓄膿(前房)、虹彩結節(虹彩)の順で撮影します。
目立つ所見に気をとられて、他の部位に撮り忘れがないように意識しています。
特に慣れないうちは撮影設定を間違えないように、同じ手順で撮影することをおすすめします。

■ Q3.
固視灯の使用の必要性に付いて(再現性や徹照法などの微細な固視誘導)ご教示下さい。(内田先生)
 
■ A3.
スリットにおいても固視誘導は重要だと考えます。ただ当院で使用しているSL-D7は固視灯がつけられないようで、遠方の壁に視標を置き、声掛けで固視誘導しています。

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